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(Product×Learning)

掲載・更新日:2023年11月10日

協立エアテック株式会社

圧力調整ユニット CPAU(クーパー)

「加圧防排煙システム」は、近年超高層ビルや高層マンション、商業施設等に採用されており、火災時に室内の煙を排出すると同時に避難経路かつ消火活動拠点となる付室を加圧し、煙の進入を防ぐ避難上の安全性を一層高めることができるものです。
圧力調整ユニットCPAU(クーパー)は、加圧防排煙システムに用いる圧力調整装置で、付室内の圧力調整を容易に実施することができ、災害発生時の避難扉の開放障害を防ぎ、設置スペース確保の問題を解決することができるものです。

■CPAUの基本構造

  1. 装置本体の薄型化
    CPAUは装置外側のウエイトを無くし、本体厚さ50mm(従来品の約1/10)としました。壁や扉への施工が可能で、付室設計時にスペースの有効活用が期待できます。
  2. ユニット化
    CPAUは1枚羽根のユニットを付室の規模に応じて複数台組み合わせる構成としました。
    1ユニットあたりの質量は約7.5kgと軽量で、設置作業も一人で行うことができ、従来品と比べて施工性が大幅に改善されます。またユニット式のため歪みにも強く、羽根の開閉不良もなく確実な作動性を実現します。
    大風量を処理する場合は、複数台のユニットを連結して施工します(最大7連式まで対応可能)

  3. 確実な作動性能
    CPAUは50Pa以下の圧力差で羽根が確実に全開するための工夫をしました。

    (1) 浮力板の採用
    従来の圧力調整装置は、羽根が開き始めると羽根の自重により閉鎖トルクが増加して羽根がスムーズに開かず、付室内の圧力が上昇しすぎるためカウンターウエイトによる調整が必要でした。
    CPAUには「浮力板」を採用しましたので、羽根に上昇気流を与え、羽根の開き始めの開放トルク不足を解消しました。

    (2) 特殊ベアリングの採用
    羽根の軸受けは、摩擦抵抗が低い「特殊ベアリング」を採用しました。トルク伝達ロスが最小限のため羽根がスムーズに開閉するほか、ふっ素樹脂加工を施しているため耐候性にもすぐれています。

  4. 防火ダンパーの構造基準に準拠
    CPAUは防火区画を貫通する箇所への施工を想定し、防火ダンパーの構造基準に準拠した構造としました。
    遮炎性能:羽根、ケーシングを厚さ1.6mmの鋼板で構成。(平成12年建設省告示第1369号)
    遮煙性能:羽根の周囲に隙間が生じない構造を採用。(昭和48年建設省告示第2565号)
    作動性能:常時閉鎖状態を保持する構成。(昭和48年建設省告示第2563号)

■CPAUの3つの特長

  1. 現場での圧力調整が不要
    CPAUは羽根開放時の圧力は工場にて設定し、全数検査を行って出荷しています。従来品で苦労していた現場でのウエイト調整作業が不要で、かつ製品の信頼性を高めています。
  2. 施工性が良好
    CPAUは従来品に比べて薄型、軽量、設定圧力調整済ですので、施工時間は従来品の約1/4です。また施工も従来品は2~3人必要でしたが、CPAUは一人で行うことができますので、人手不足解消にも貢献します。

  3. 設置場所検討が容易
    本体厚みが50mmですので、壁や非常扉にも設置が可能です(ただし大臣認定が別途必要です)。設置検討を容易に行うことができ、建物設計の効率化に貢献します。

■付加機能

CPAUには羽根の閉鎖状態を保持する「ロック機構付き」もラインアップしています。 CPAUの羽根が閉鎖した状態で50Paの差圧がかかっても閉鎖状態を保持することができます。特に高層建築物においては、冬季の暖房時は建物低層からシャフト内へ外気が侵入することで煙突効果が発生し、シャフト内空気が上昇して建物上層のCPAUの羽根のバタつきを抑制することができます。 また、災害発生時には電気信号によりロックを解除することでCPAUを確実に作動させることができます。

お問い合わせ先

協立エアテック株式会社

〒134-0015
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