掲載・更新日:2024年11月11日
脱炭素に貢献するKOBELCOヒートポンプ

ヒートポンプは水と冷媒を熱交換するサイクルの下、冷温熱を効率良く生成する省エネアイテムとして注目されている。サイクルとして①冷媒が圧縮機で圧縮され高温高圧の冷媒ガスへ変化②凝縮器(熱交換器)で冷媒と水が熱交換し水は昇温③冷媒が膨張弁を通過し低温低圧の冷媒液へ変化④蒸発器(熱交換器)で冷媒と水が熱交換し水は冷却。このヒートポンプサイクルを通し、冷水ならびに温水を生成する熱源機器である。その最大の特徴は1の投入エネルギーに対して何倍もの冷却、加熱エネルギーを得られる点である。
昨今、パリ協定等を背景とし、国内でも「CO2削減」「脱炭素」を推進しているが、CO2を多量に排出するボイラの代替としてヒートポンプを使用し、省エネ・省コストを図る動きが加速している。下図のように、ビル空調や産業プロセスに使用される温水を蒸気ボイラで生成し、チラー等で冷水を生成していた従来システムに対し、冷温水同時取り出し型ヒートポンプを採用することで、少ない電気エネルギーで効率良く冷温水を生成できる。このようなボイラ代替としてのヒートポンプ採用により高い経済性・環境性を誇るシステムが実現可能となる。
一方で、ヒートポンプサイクルの中で使用される冷媒について、一定量のフロンが含まれることから、環境影響を踏まえ、冷媒使用を規制する法改正が進んでいる。1987年にモントリオールにおいてオゾン層破壊物質の生産、消費量の削減を義務付けたモントリオール議定書が採択され、特定フロンに規制がかかった。その後、2018年にモントリオール議定書がルワンダのキガリにて改正され、代替フロンが規制対象に。日本を含む先進国は、2036年までに実に基準値の85%もの代替フロン削減を課されている。国内ではこの法改正を背景とし、 フロン排出抑制法に基づく指定製品制度が導入され、フロン類使用製品(指定製品)の製造・輸入業者に対して、出荷する製品区分毎に、環境影響度(GWP)低減の目標値・目標年度を定め、事業者毎に出荷台数による加重平均で目標の達成を求めている。
上記の冷媒規制を受け、各熱源機器メーカーは指定製品毎に設定された目標GWPを達成する冷媒を採用した熱源機器を目標年度までに開発・リリースすることを推進している。コベルコ・コンプレッサは従来より熱回収ヒートポンプ(冷温水同時取り出し型・廃熱回収型)を数多くラインナップし、「脱炭素」をキーワードに空調のみならず産業プロセスへの適用を進めてきた。この熱回収ヒートポンプに採用されていた冷媒は代替フロン冷媒であり、上記冷媒規制にかかるものであったが、至近では冷媒転換を行い、ノンフロン冷媒・低GWP冷媒を採用した熱回収ヒートポンプを続々とリリースしている。一般的な空調で使用される5℃~15℃の冷水と15℃~50℃の温水を同時供給可能な「HEMⅢシリーズ(ノンフロン冷媒・低GWP冷媒採用)」、「5℃~30℃の冷水と20℃~70℃の温水を同時供給可能なHEMⅢ-HR70-GN」、「5℃~50℃の冷水と50℃~85℃の温水を同時供給可能なHEMⅢ-HR85(W)-GN」等、冷温水ともに広範囲をカバーでき、多岐に亘る業種・プロセスに適用できる熱回収ヒートポンプをラインナップ。
これまで業務系施設においては一般ビル、病院、商業施設等に多く導入され、産業系施設において半導体、電子部品、食品、自動車業界他の各プロセスに導入されている。コベルコ・コンプレッサは今後も更に環境影響度の低いクリーンな冷媒を採用した熱回収ヒートポンプを普及・促進し、脱炭素社会の実現に貢献していく。
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コベルコ・コンプレッサ株式会社 営業総括部門 ヒートポンプ・エネルギー営業部 営業室
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