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(Product×Learning)

掲載・更新日:2023年11月10日

クボタ空調株式会社

高効率な外気処理、室内の調湿が可能な小型デシカント空調機

近年、低炭素化社会実現を目標としたZEB(ネット・ゼロ・エネルギービル)推進に向けた取り組みが行われています。
 オフィスビルで主に採用されている空調システムは空気を冷却して除湿するため、そのまま空気を居室内に吹き出すと居室内の温度が下がりすぎます。温度の下がりすぎを防止するためには、冷却除湿した空気を再び加熱する必要があり、大きなエネルギーを消費します。空調機の省エネ化、更には建物のZEB化に向けては、外気を高効率に処理をすることが重要になります。
建物のZEB化を達成する上で、建物全体エネルギー消費の約4割以上を占める空調システムの省エネ化は必須であり、未利用エネルギー(地中熱・太陽熱・排熱)を最大限有効活用しながら居室内の調湿が可能なデシカント空調機が注目されています。
そこで私たちは、空気の冷却に地中熱を利用し、デシカントの再生用温熱源に太陽熱や排熱を利用するといった未利用エネルギーを最大限活用しながら、建物スペースの有効活用を考慮して機械室ではなく、天井内に設置可能な小型デシカント空調機を開発しました。

空調機内部構造及び、 空調機流路構成図を下図に示します。
本空調機は、全熱交換器を搭載した「全熱交換モジュール」部、吸放湿ブロックを搭載した「吸放湿モジュール」部で構成されています。「全熱交換モジュール」部には、全熱交換効率60%以上の性能を有する静止型全熱交換器を採用し、素子には高分子収着剤を使用しています。また、「吸放湿モジュール」部においては、空調機内のスペースを無駄なく活用するため、吸湿材素子の形状をブロック状とし、一定時間経過後に吸湿側と再生側の空気流路を入れ替える、新開発の流路切替装置を搭載しました。吸放湿モジュールの吸湿材素子にも、低温で再生が可能な高分子収着剤を採用しております。
空調機内の空気流路について、夏期の除湿プロセスにおいては、外気は全熱交換モジュールで還気と全熱交換を行いプレコイルで予冷後、吸放湿ブロックにて除湿され、その後アフターコイルで温度調節し室内に給気します。また還気は、全熱交換モジュールで外気と全熱交換後、再生コイルで加熱され、吸放湿ブロックに吸着した水分を放出して除湿能力を再生し、室外へ排気されます。冬期の加湿プロセスにおいては、外気は全熱交換モジュールで還気と全熱交換後、プレコイルで加熱され吸放湿ブロックを再生することで空気を加湿します。還気は、全熱交換モジュールで外気と全熱交換後、吸放湿ブロックで還気の水分を吸収し、室外へ排気されます。
空調機に搭載された2個の吸放湿ブロックは、設定された時間に90 度交互に回転することで除湿(吸湿)と再生(放湿)を継続して行います。

下図は調湿外気処理ユニットの夏期の除湿プロセスを空気線図化したものです。室外空気条件を33℃DB/63%RH、室内空気条件を27℃DB/47%RHとし、室内の潜熱負荷を処理するため給気条件は27℃DB/33%RHとしました。
(全熱交換モジュール熱交換効率:60%にて検討)

下図は調湿外気処理ユニットの冬期加湿プロセスを空気線図化したものです。外気条件を0℃DB/50%RH、室内空気条件を22℃DB/50%RHとし、冬期の給気条件は室内条件と同じ22℃DB/50%RHとしました。

下記に調湿外気処理ユニットの仕様を記載しております。
処理風量は500㎥/hで、空調機の外形寸法は1800mm(W寸法)x1050mm(D寸法)x450mm(H寸法)としており、天井内に設置可能な寸法としております。

お問い合わせ先

クボタ空調株式会社

〒104-8307
東京都中央区京橋2-1-3 京橋トラストタワー
TEL 03-3245-3130
FAX 03-3245-3134
WEBサイト https://www.kubota-airconditioner.co.jp/index.html

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