掲載・更新日:2026年04月01日
避圧ダンパー (ガス系消火設備のダンパー)
ガス系消火設備とは
博物館、美術館、サーバー室、機械室などには水による消火設備に代えて、ガス系消火設備が設置されますが、近年では人に対する安全性や地球環境への配慮から、いわゆる新ガスと呼ばれる消火設備が多用されています、CO2(2酸化炭素系)消火設備、ハロゲン化物消火設備があります。
CO2消火設備は、消火剤(CO2)に強い麻酔作用があり、人への危険性が高いこと、さらには地球温暖化の寄与物質でもあり、より安全な消火剤が求められています。
また、ハロゲン化物消火設備はCO2に比べて安全性が高く消火性能も高いことから、過去には多く使用されてきましたが、オゾン層を破壊する物質であることから、現在その製造・使用が抑制されています。
避圧の目的
主にN2ガス及びハロカーボン系のガスを使用するガス消火設備は消火剤を短時間に多くの量を放出します。
そのため、防護区画の室内圧力が急激に上昇し、壁や窓、天井、あるいは扉等を破壊することが考えられるため、消火剤放射時に、圧力を屋外に逃す【避圧口】をもうけなければなりません。
消火ガスは区画容積に対して50%前後のガス量を1分程度で放出します。
放射された消火ガスで区画内の圧力が急激に上昇することになります。
ガス消火の設計濃度を約40%とすると、室内圧力は0.5気圧程度上昇します。
これは、1平方メートルあたり5トン以上の力が加わることになります。
そこで、区画各部分の強度(許容区画内圧力)以下に内圧上昇を抑えるために避圧ダンパーの設置が必要になります。
避圧の方法
避圧は区画内に設けた避圧ダンパーから直接またはダクトを介して消火ガスを屋外の安全な場所へ排出して行います。
避圧ダンパー

避圧口には外気が室内に影響しないように、気密性の高い避圧ダンパーを設置します。


- 通常時:常時閉鎖 (外気による羽根のバタつきの無いこと)
- 有事(火災時):閉鎖
- 消火剤放射時:開放(開放開始圧力設定はバランスウエイトで行う)
- 消火剤放射完了時:再び閉鎖・・・消火確認後の復旧まで【閉鎖】状態を維持。

構造は、防火ダンパーと同様に鋼板の1.5mm以上としています。
避圧ダンパーの国土交通省仕様(公共建築工事標準仕様書、機械設備工事編)
「構成は、ケーシング、可動羽根、軸、軸受け、ウエイト等とし、羽根の開閉を補助するウエイトにより、消火用ガスの放出時に、設定された圧力値以上で開放し、設定された圧力値未満で閉鎖(自力で保持)する機構を有するものとし、開放時における気流の抵抗が少ないものとする。」
避圧ダンパー面積(ダンパー最大開放時の有効開口面積又は面積比)
区画内の圧力上昇が、許容区画内圧力以下となるように、必要な避圧ダンパー面積を決めます。
壁や扉などの強度が高ければダンパー面積は小さくなり、強度が低いときは大きなダンパー面積が必要になります。
許容区画内圧力は防護区画を構成する壁、扉等の最低強度で設計事務所あるいは建築会社のご担当者から提示いただくものです。
(許容区画内圧力例:コンクリート躯体、鋼製扉、網入ガラス(2000Pa)、パーテーション壁、2重天井(800Pa)、防火防煙シャッター(600Pa))
算出された避圧開口面積は避圧口としての必要最低面積のため、避圧ダンパーの有効開口面積を考慮する必要があります。
(避圧ダンパーは国土交通省仕様での規定でバランスウエイト式の羽根可動構造のため、開放用及び閉鎖用のウエイトが必要になります。有効開口面積は避圧時のガス圧力・流量等により開放角度が変化します:ダンパー面積の60-70%程度が有効面積となります)、有効開口面積はメーカーから資料が出ています。

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