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2020年度『建築設備技術遺産』が決まりました

建築設備部門の技術および設備関連情報とこれらを建物に収めてきた技術を次世代に伝えることなどを目的とした、本協会の「建築設備技術遺産」認定制度は、2012(平成24)年度に始まり、今回で9回目の認定となる。認定申請の公募方法・期間などは、昨年度とほぼ同じとした。しかしながら、応募された物件を審査する段階において新型コロナウイルス感染者数が急増したため、建築設備技術遺産認定委員会の開催を取りやめ、書面審議による審査方法に変更した。慎重に審議した点では例年と変わりないが、対面で委員各位からの率直な意見を聞くことができなかったことが悔やまれる。そのような経緯のもと、今回は認定第35号から第38号の4件を認定させていただくこととなった。

認定された物件は、①1914年に建材社(現大気社)の暖房工事の技師としてドイツより招聘され、1966年に没するまでの52年間、我が国の建築設備業界に多大な影響を与えた設備設計者であるA・P・テーテンス氏の来日から太平洋戦争により活動ができなくなった1935年までの明治・大正・昭和にまたがる作品に関する自作ノート、②1910年に製造され、博物館明治村に保存展示されている明治天皇6号御料車(お召列車)に設置されている4台と、同時期に製造された予備品2台の鋳鉄製3柱5節の蒸気式暖房用ラジエーター、③1993年に発売された次世代型便器の在り方を示す目的で開発された住宅向けの腰掛便器で、最大の特長は便器洗浄水用タンクをなくし、初のタンクレス便器(温水洗浄便座一体形便器)とした製品、④ねじの種類にはその製作技法により、周知のように「切削ねじ」と「転造ねじ」とがあり、今回の認定申請では2つの技法に関する設備機材がそれぞれ申請されたが、配管のねじ加工と接続に関する時代のニーズに双方とも密接な関係があることから、一連の関連技術遺産として一体で評価すべきとされたねじ加工機である。

各物件の詳細、これまでの認定物件については以下を参照ください。
https://www.jabmee.or.jp/about-heritage/

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