建築設備ってなに?

建築設備とは?

建築設備とは?

くうき・みず・でんきの役割

わたしたちの生活に欠かせない

わたしたちの暮らしのなかで、今も昔も大切な「衣」「食」「住」は、健康で文化的な生活に大きくかかわっています。この「衣」「食」「住」のうち、「住」を取り上げて考えてみましょう。
きびしい自然からわたしたちを守るためには、屋根や壁をそなえた「安全な空間」が必要です。しかし、それだけで十分でしょうか。わたしたちは日々の生活の中で、トイレに入る、洗う、料理をする、暑い時や寒い時にエアコンをつける、暗いところであかりをつける、テレビを見る、ことをなにげなく行っています。そこでは「水」や「空気」「電気」「ガス」などがそれぞれの目的に応じてはたらいていて、わたしたちの生活を助けています。そして、こうしたはたらきは建物の外でも、水や電気を届け、排水を集め、道路を明るく照らすなど、みなさんが気づかないところで街を支えています。

建築設備は

空気・水・電気・ガスなどを選んで使えるようにする機械・配管配線・器具などで構成されるシステムです。
高度な技術で快適な住生活を支えています。

はたらく水

はたらく空気

はたらく水

水は健康的な生活の基本です。わたしたちのまわりには口に入るきれいな水もあれば、トイレのうんち(排泄物)を流した汚れた水もあります。飲み水に汚れた水が混じったりすれば、病気を招くこともあります。生きるために欠かせない水は、いつでも誰でも安心して手に入れられることが大切です。

健康的な生活は衛生設備が基本

ここでは、「使う」上水から「使い終わった」下水まで、いろいろな水のはたらきを見てみます。

蛇口からすぐに水がでてくるしくみ(給水設備)

わたしたちが住んでいる家やマンション、学校、高層ビルまで、どこでも蛇口からすぐに水が出てきます。水を配る給水設備とはどんなしくみでしょうか。道路の下の水道本管から建物のなかの蛇口まで、追いかけてみましょう。

はたらく空気

わたしたちは「空気」のなかで生きています。温度や湿度は快適性や衛生面でとても重要ですが、酸素や二酸化炭素の量、汚染物質の濃度など、空気の質が悪化すると生命に危険をおよぼす場合があるので、気をつける必要があります。
日本の伝統的な住まいはすきまが多く、きれいな外気を取り入れ、汚れたた室内の空気を外へ排出する換気が自然に行われていました。ところが最近の建物のように冷暖房効果の向上や省エネルギーのために断熱や気密化が進むと、自然な換気は難しくなります。うまく換気されないと室内の空気はどんどん汚れていき、やがて体に悪影響を与えます。

「空気の質」を考える(換気と空調)

ここでは空気の質が悪化する原因とその影響をみたうえで、換気の重要性に着目してみましょう。

空調(空気調和)のしくみ

オフィスやデパート、映画館などは窓が開かなくても室内の温度や湿度、気流、清浄度などの空気環境がきちんと保たれています。「空調」されているからです。人々の健康を守り快適な空間を作る空調設備とはどのようになっているのでしょうか
ここでは空調設備全体について、「空調のしくみ」や「冷熱源・温熱源装置」「冷媒」などのはたらきとその姿をみてみましょう。

はたらく電気

1882(明治15)年、東京・銀座に日本初の電灯(アーク灯)が灯されました。以来、わたしたちの生活は一変し、便利で文化的な生活がもたされました。
昔の明かりは、ろうそくや油を燃やした炎によるものでした。燃え尽きれば交換やつぎ足しが必要ですし、火事の心配もあります。電気の普及により、今ではスイッチひとつで、安全で適度なあかりが得られます。
冷房や暖房も同様です。暖房は、まきや炭を燃やしていましたが、今ではエアコンがそのかわりを担っています。
電気は多才です。光、熱、音、力を作り出す便利なエネルギーや情報を伝える手段として、あらゆる分野で利用されています。

便利で文化的な生活は電気設備のおかげ

火力発電所や原子力発電所は海の近く、水力発電所は山の上に建てられていて、わたしたちの住む街からは、少し離れた場所にあります。そのため、発電所で作られた電気は、送電線や変電所などを通って送られてきます。
一般の家庭で使う電圧は主に100Vですが、発電所から送電される電圧は、高いところでは500kVもあります。変電所や電柱に設置された変圧器で電圧を下げて、ビルや住宅に届けられます。

電気を通るしくみ

電気で動く機器などをわたしたちが使うためには、建物の中に「電気設備」が用意されていることが必要です。スイッチを入れて照明をつけたりコンセントに電化製品をつないで使ったり、エレベーターで楽に移動できるのは、電力会社から供給されている電気を、建物に取り入れて安全に使えるようにするしくみがあるからです。
ここでは電気が照明やコンセントまで送られてくるしくみや、どのような工夫がされているのかを見てみましょう。

これからの建物づくり

地球環境問題はわたしたちにとって大きな課題の一つです。わたしたちは便利で快適な生活を作り出すために電気やガス、石油といったエネルギーを消費して建物を建て、その中の設備を動かしています。
このまま何の工夫もなくエネルギーをどんどん消費してしまっては、資源の枯渇、大気汚染、地球温暖化などの問題はさらに進んでしまいます。
そこで建築設備の世界でも、現在と未来を考えたいろいろな取り組みがなされています。

地球環境にやさしく、人にやさしい建物へ

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技術絵本Ⅰ「くうき・みず・でんき」改訂2版

建築設備技術者協会 編著/発行
定価1,200円
A4オールカラー/32項/2017年11月
建築設備というものが、建物の中や外で、わたくしたちが安全にそして快適にすごすために、なくてはならない働きをしていることをイラストでわかりやすく学べる技術絵本です。

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