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【募集】欧州ZEB視察調査

2014.03.27

 当協会では、地球環境温暖化防止対策に対する建築設備分野の対応を強化すべく各種の活動を行っていますが、今回、その一環としてヨーロッパZEB視察調査を企画しました。日本ではZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現した建物は未だ少数ですが、ヨーロッパでは既に多数の国でZEBが建設され、専門書やWeb上でも公表や公開がなされています。これらは設計段階からZEBとして企画され建設されたもので、データを公開する姿勢は学ぶべきものがあります。このたび、それらの建物を実際に現地で視察して専門技術者に説明いただき、公開データと照らし合わせて考察してまいりますので、今後、日本で高度なZEBを実現していく上で必要不可欠なことと考えております。視察後は報告書にまとめていく予定としています。

 今回は、オランダ、スイス、フランスの3か国の中から厳選された7つのZEBを視察調査対象としました。定員は15名としておりますのでお早目にお申し込み下さい。

1.視察調査先  ユトレヒト、チューリヒ、パリ、リヨン、ディジョン

2.視察期間   2014年6月1日(日)~ 6月8日(日) 6泊8日

3.団  長   川瀬貴晴(一般社団法人建築設備技術者協会会長、千葉大学大学院教授)
       
3.視察代金(予定)   一人あたり 650,000円  (参加者数15名様の場合)
              
4.上記代金に含まれるもの
  ① エコノミークラス運賃(成田空港施設使用料・現地空港諸税・航空保険料・燃油サーチャージ)
  ② 現地ホテル代(1人一部屋を基準と致します)
  ③ 現地交通費 
  ④ 食事料金   朝食6回、昼食4回、夕食4回
  ⑤ 通訳料金、ガイド、アシスタント
  ⑥ 視察先手配料金

5.上記代金に含まれないもの
  ① 超過手荷物運搬料金(航空会社規定を超える分について)
  ② ビジネスクラス利用の場合の追加料金
  ③ 添乗員費用
  ④ 任意海外旅行保険
  ⑤ その他上記4.以外の経費全て

6.旅行に関するお問合せ先
 一般社団法人 建築設備技術者協会(JABMEE)
  木谷 TEL03-5408-0063 FAX03-5408-0074

7.旅行条件の基準日
平成26年3月15日現在の運賃・料金を基準としています。

【訪問先概要】

■オランダ/ザイスト(アムステルダム近郊)
WWF(World Wide Fund for Nature)オランダ (所在地:オランダ、ザイスト)
 1954年竣工の建物を2006年に改修。延床面積3,800㎡、地上3階の事務所建築。
 木製水平ルーバーによる日射遮蔽と自然採光、自然換気、太陽熱集熱、地熱利用等により、一次エネルギー換算にてエネルギー消費量247kWh/年・㎡。41kWのPV及び菜種油燃料コージェネレーションシステムにより、326kWh/年・㎡のエネルギーを創出し、ZEBを達成している。

■スイス/チューリヒ
EAWAG Forum Chriesbach (所在地:スイス、デューベンドルフ)
 2006年に竣工した延床面積8,533㎡、6階建てのオフィスビル。屋根にPVパネルや太陽熱集熱器が設置され、建物中央に設けられたアトリウムによる自然換気と地中ダクトによる外気取入れにより、オフィス部分の冷房を不要とし、さらにサーバールームの冷房負荷を大幅に削減している。外壁に用いられている青のガラスパネルが夏の日射遮へい・冬の日射取得に有効であり、意匠上の特徴になっている。

Marche International Support Office (所在地:スイス、チューリッヒの近郊)
 2007年に建設された、延床面積1550㎡、3階建の小規模なオフィス。
 南面に深いバルコニーを設け、夏は日射を抑制、冬期は日射を最大限利用、プリズムガラスとPCM蓄熱材、外部遮光スクリーンなどで構成される独自のファサードを採用、エネルギー消費を一次エネルギーで97kW/年・㎡まで削減させ、屋根に設置した約45kWのPVや地熱HPの再生可能エネルギーにより81 kW/年・㎡を賄なう、Nearly ZEBを実現。

Autarkic Space Cell "Self"
EMPA(Swiss Federal Laboratories for Material Sciences and Technology:材料科学研究を主導するスイスの公的研究機関)内に2009年に設置された実験的な自立住宅。7.7m×3.5m×3.2m 1階建ての可搬型住宅。場所を移動させながら実績値を蓄積。ZEB化達成。真空断熱、Aerogel断熱、可変ガラス(透明・不透明)、潜熱蓄熱を用いたパッシブクーリング、パッシブヒーティング、PV、リチウムイオン蓄電池、水素発電、水の自立化を採用。

■フランス/パリ
Green Office Meudon (所在地:フランス、パリ近郊)
 2011年に建設された、延床面積23,300m2、地下3階地上8階のオフィスビル。
東西軸に配置された奥行き13.5mの執務空間に対し、ガラリ付き木製サッシュから自然採光と自然換気を最大限に取り入れ、天候と人に合わせた各種設備制御を行い、一次消費エネルギーを62kW/m2年まで削減。 屋根や外壁に設置したPVと植物油コジェネによる再生可能エネルギーにより64kW/m2年を賄なう、フランス最初のZEBを超えるポジティブエネルギー建築である。

■フランス/リヨン
Woopa (所在地:フランス、リヨン郊外)
 2012年6月に竣工した延床面積20,500㎡、地下2階、地上7階の事務所、店舗等の複合用途建築。換気機能付三重ガラスと木製カーテンウォールにより建物の断熱性を高め、地下水利用のアクティブ冷暖房床スラブ、最適制御を組み合わせたタスク&アンビエント照明等によりエネルギー消費量を114kWh/年・㎡まで削減。給湯機能付きハイブリッドPVを含むPV及び木質ペレットボイラー、植物精製油コージェネレーションシステムによる電気と熱の生成により118kWh/年・㎡のエネルギーを創出し、ZEBを超えるポジティブエネルギービルを目指している。

■フランス/ディジョン
Elithis Tower (所在地:フランス、ディジョン)
 2009年に建設された延床面積約5,000㎡、10階建のオフィスビル(1階に店舗)。
 木質系材料を用いたダブルスキン外装により日射負荷低減と自然採光を両立し、自然換気、チルドビーム、タスクアンビエント照明などを採用。2009年実績値で、一次エネルギー換算にて消費量97kWh/年・㎡、屋上太陽光発電パネルの発電量40kWh/年・㎡、ネット57 kW/年・㎡を達成している。