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平成29年度『建築設備技術遺産』が決まりました

2017.05.16

 建築設備部門の技術および設備関連情報とそれらを建物に収めてきた技術を次世代に伝えることなどを目的とした「建築設備技術遺産」認定制度は、2012(平成24)年度に始まり、今回で6回目となる。昨年度とほぼ同じ公募期間を設定し、応募された物件を、建築設備技術遺産認定委員会において慎重審議し、空調領域・電気領域・衛生領域の3領域各1件の物件を認定することとした。

 

 空調領域で認定されたのは、オフィスのモジュール化の初期における、個別完結性、良好な空調環境をつくるために開発され、1962(昭和37)年竣工の大規模オフィスビルに全面採用された制気口、吹出・吸込兼用の風量調整機構付きエアーディフューザであり、大学との共同研究結果などを基に、カタログなどでもその性能を明確に示した物件である。

 電気領域では、住宅用の過電流保護設備が木板や金属板にカットアウトスイッチを取り付けるのみ、または取り付けた上で木箱に収納するのみで、安全性、生産性、美観などの面で問題があったものを、金属製の箱にカットアウトスイッチを入れた規格製品とし、問題を解決し、現在の住宅用分電盤の基となったホーム分電函が認定された。

 衛生領域で認定されたのは、コンパクト化された光電センサーを水栓本体に組み込んだ自動水栓で、従来の静電容量式センサーを使用したもので問題となっていた設置時の調整に手間がかかる、外乱に弱いといった点を改良し、さらに、こまめな水の出し止めを可能とし、デザイン性・設置性を向上させ、洗面・手洗い用自動水栓のニーズを掘り起こし普及のきっかけとなった製品である。

 

【ニュースリリース】平成29年度 建築設備技術遺産認定_170516.pdf