HOME ニュース 2019年  2019年度『建築設備技術遺産』が決まりました

2019年度『建築設備技術遺産』が決まりました

2019.05.30

 建築設備部門の技術および設備関連情報とこれらを建物に収めてきた技術を次世代に伝えることなどを目的とした、本協会の「建築設備技術遺産」認定制度は、2012(平成24)年度に始まり、今回で8回目となる。

 昨年度の応募件数が過去最低となったことから[募集案内]および[認定の基準等]の微修正を行ったが、公募期間、応募された物件を建築設備技術遺産認定委員会において慎重審議するという審査方法などは特段の変更をせず、認定第32号から第34号の3件を認定させていただくこととなった。

 

 認定された物件は、80年以上前の1936年に製造され、尋常高等小学校の全館暖房用熱源として使用された自動給炭器付きボイラーの現物で、同建物がウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計であったこともあり、新校舎を建設したにもかかわらず建物が保存され、ボイラー本体も戦時中の金属供出からも免れるという幸運に恵まれたもの、著名な井上宇市先生が、早稲田大学建築学科の建築設備の講義で使用した、日進月歩で進化する建築設備技術に合わせるとともに、設備設計者・意匠設計者が設備計画・設備設計の重要性を理解するための工夫を加え、毎年のように改定したガリ版刷りの教科書類、残念ながら現物ではないものの、90年以上前に便器洗浄の節水化と衛生性を、使用者の体重を感知する機械式全自動洗浄弁で制御する自動洗浄により実現しようとしたものであり、さらに便器使用前洗浄を加え汚物付着防止も考慮されているものと、多岐にわたる。

 

【ニュースリリース】2019年度 建築設備技術遺産認定.pdf

 


新聞掲載記事